公開講演会「近世近代移行期の海域世界と国家」

INFORMATION

  • 2016年6月25日(土)14:30~18:00
  • 池袋キャンパス 11号館2階 A203教室

複数の世界秩序が存在した前近代から一つの世界が観念されだす近代への移行は、国際関係をはじめ海域秩序や人間関係に大きな変化をもたらした。本シンポジウムは、その過程において近代の創出に関係し、そののち後退した存在に光を当てる。国民国家を基盤とする近代国際秩序が様々な確執を生んでいる今日、かつて国家間や異文化間を仲介した存在が注目を浴びている。前近代において、内と外の境界的存在や奴隷と総称された隷属者、さらに海域と陸域を往来した移動民らは、そうした交流において重要な役割を担った。

本シンポジウムは、越村勲氏、鈴木英明氏、木村直也特任教授を招き、近世にアドリア海と周辺陸域を往来した流民、欧米の奴隷貿易廃止後も盛んに取引された東アフリカの奴隷、幕末期の朝鮮王朝と日本を仲介した対馬の宋氏の活動について、講演してもらう。これをとおして近代を導いた原動力を明らかにしつつ、成立した新たな国際関係、海域秩序、人間関係のなかで上述した存在がどのように変容したか検討したい。なお近世近代移行期の東アジアの動向を論じるために、荒野泰典名誉教授にコメンテータをお願いする。

「アドリア海の海賊ウスコクから見た近世(近代)の国家形成」

東京造形大学教授
越村 勲 氏

1953年生。博士(社会学、一橋大学)。一橋大学特別研究員、千葉大学助手を経て、東京造形大学教授。主要著書『東南欧農民運動史の研究』(多賀出版、1990年)、『バルカンの大家族ザドルガ』(彩流社、1994 年)、D・ロクサンディチ『クロアティア=セルビア社会史断章』(訳、彩流社、1999年)、S・ノヴァコヴィチ『セロ--中世セルビアの村と家』(訳、刀水書房、2003年)ほか。

「奴隷制は死に絶え行くのか—19 世紀インド洋西海域世界の奴隷制の変容」

長崎大学多文化社会学部准教授
鈴木 英明 氏

1978年生。博士(文学、東京大学)。Indian Ocean World Centre, McGill University(Canada)のResearch Associate を経て、2014年より長崎大学多文化社会学部准教授。主要著書・論文H. Suzuki ed., Abolitions as a Global Experience, (Singapore, National University of Singapore Press, 2016)、「インド洋西海域と「近代」:奴隷の流通を事例として」『史学雑誌』116(7)(2007年7月)、「インド洋西海域における「奴隷船」狩り—19世紀奴隷貿易廃絶活動の一側面—」『アフリカ研究』79 (2011年)ほか論文多数。

「日朝関係の近代的変容と境界領域 —明治維新期の対馬を中心に—」

本学文学部特任教授
木村 直也

《コメンテータ》

本学名誉教授
荒野 泰典

詳細情報

名称

公開講演会「近世近代移行期の海域世界と国家」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般
※申込不要、入場無料

主催

立教大学文学部史学科

共催

立教大学史学会

お問い合わせ

学部事務1課

(史学科担当 TEL:03-3985-2479)

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