映像身体学専攻現代心理学研究科/新座キャンパス

OBJECTIVE.

映像身体学の理論と実践を多角的に学ぶ

映像と身体をめぐる理論および実践を結びつけ、新しい人間学を構築しようとする、他の大学院にはない斬新なコンセプトをもつ専攻です。映像身体学の理論と実践を多角的に学修するカリキュラムが用意されています。

専攻のポイント

  • 専門知識を修得して、映像身体学を深く探究する

    映像身体学の基礎理論とその研究方法を身につけたうえで、「基盤研究系」(理論研究)、「制作・表現系」(実践研究)、「プロデュース系」(芸術制作の運営研究)の3部門からなる新たな研究領域を学ぶことによって、映像と身体に関する専門知識を修得して、映像身体学を深く探究する力をつける。

  • 教授陣と学生が啓発し合う知的空間

    映像、演劇、思想/哲学などの領域で活躍する実作者や研究者が、学生とコラボレートし啓発しあう生き生きとした知的空間が生まれます。

  • 研究者や実践者として、映像と身体を巡る思想や表現、芸術の分野などで活躍する人材の育成

    専攻修了後は、研究者への道、実践教育者への道、映像並びに演劇などの身体表現における専門家としての諸活動や、それらの運営プロデュースへの道などが想定されます。

Pick
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映像と身体を巡る〈思考の領域〉を切り拓く新たな探究

映像身体学は、映像と身体を巡る〈思考の領域〉を切り拓く新たな探究、新たな人間学です。私たち人間の身体は、知覚することを通して世界に、他者に出会い、生きています。〈知覚〉の問いを中心にして、生きることの豊かさ、不思議を深く探究しそこから得たものを表現として(論文としてであれ、制作物としてであれ)世界に返していくのが、映像身体学の営みなのです。必修科目の「映像身体学原論」や「映像身体学研究法」で映像身体学の基礎理論とその研究方法を身につけたうえで、理論と実践を両輪として多様に設定されている選択科目から各自の関心に応じて学ぶことができます。

映像身体学専攻専任教員/研究テーマ *印の教員は、研究指導は担当しません。

  • 江川 隆男 特別専任教授

    主要研究テーマ:西洋近現代哲学、精神と身体の倫理学、反道徳主義倫理学、スピノザ、ドゥルーズ、ガタリ

    教員紹介

    西洋の近現代哲学全般を基盤としつつ、特にスピノザ、ニーチェ、ドゥルーズらの哲学を批判的に研究してきた。具体的には、ドゥルーズの表象主義批判としての超越論的経験論や存在の一義性、スピノザの非意志主義としての内在性の哲学や精神と身体の並行論、ニーチェの道徳の系譜学やニヒリズムの問題、等々をとおして、哲学的思考の在り方を探求してきた。最近は、主にこうした反道徳主義の思想を新たな倫理学として捉えて、これらを原理的な水準(器官なき身体)から再構成する試みを課題としている。問題意識としては、21世紀のエチカの形成である。

  • 加藤 千恵 教授

    主要研究テーマ:中国道教思想史、気の身体観

    教員紹介

    古代中国の身体観・生命観および宇宙論の解明を目標として研究活動を行っている。これまでの研究は、道教を中心とする古代中国人の不死長生思想をテーマとしてきた。目下、取り組んでいるのは、煉丹術の歴史、道教および医学関連の身体図像、中国の「懐胎十月観」、陰陽・五行・八卦等によってシンボリックに表現される生命理論の解明である。これらの身体・生命に関する古代の知について、老いや健康志向といった現代的な問題も視野に入れつつ考えてみたい。

  • 篠崎 誠 教授

    主要研究テーマ:映像表現論・映画

    教員紹介

    映像・映画制作を研究テーマとする。単なる物語の絵解きとしてではなく、映画ならではの時間と空間、運動を、具体的な映像作品を制作することで、最大の批評すなわち実践を通じて探求していく。また作品制作だけを神聖視することなく、一本の映像作品を企画し、脚本化、配役、諸準備を経て、撮影、編集、仕上げから、上映まで含めた統括的な視点から映像・映画について考えている。

  • 砂連尾 理 教授

    主要研究テーマ:ダンスの振付・演出、身体ワーク、ワークショップ

    教員紹介

    私は20年程、西洋のダンステクニックであるバレエやモダンダンスに取り組んできた。ここ数年は、それらとはコンテクストが異なる障がい者や老人、東日本大震災後に避難所生活を過ごされた方々との交流、対話をとおしてダンス作品を上演している。ダンスはもはや既存のダンスコードで語られるようなものではなく、異なるコンテクストとの出会いや対話の中に身を投じ、揺り動かされることで生まれてくるものではないだろうか。
    社会の出来事に応答する身体、今ここだけでなく、不在な者たちとの対話へも開かれた身体を模索している。限られた者だけが所有する特権的な身体を目指すのではなく、日常的な身体から生まれるダンス、コレオグラフを探究し、今日におけるダンスとは何かを舞台だけではなくさまざまなメディアを横断しながら、その可能性を考えていきたい。

  • 田崎 英明 教授

    主要研究テーマ:ジェンダー/セクシュアリティ、現代思想

    教員紹介

    身体社会論、身体政治論、ジェンダー/セクシュアリティ論。最近の研究テーマ:①ポストゲノムとグローバリゼーションの時代の生—政治、②贈与の存在論、③表現のエコロジーと実在論、④サウンド論。

  • 樋本 淳 教授

    主要研究テーマ:映像制作、映像演出、編集技術

    教員紹介

    映像作品は、芸術分野の中でも非常に特殊です。最初は自分ひとりの頭の中から生まれたものを、場合によっては人に演じてもらい、撮影などの技術的な協力を受け、CG合成や音楽制作の専門家にも力を貸してもらう。とても面倒で煩雑で、体力的にも精神的にも厳しいものですが、一度この世界に足を踏み入れれば、それは何ものにも替えがたい面白さへと変わっていきます。一人でも多くの皆さんとこの面白さを共有できることを望んでいます。

  • 日高 優 教授

    主要研究テーマ:映像身体学、写真論、表象文化論、絵画など視覚芸術

    教員紹介

    写真を中心とした映像、絵画などの視覚芸術を主な研究の対象でありテーマとする。とりわけアメリカと日本の、近代から現代にいたる写真という映像と、映像時代の生のありようとを探究しており、これまでは映像の本質を考察しながらアメリカ写真とデモクラシー、写真と身体、写真と記憶や知覚、現代アートと生といった問題を論じてきた。日本現代写真の批評も行っている。ベルクソン哲学を土台にした映像哲学の創出、映像身体学の生成に向けて、〈知覚〉の問いを具体的な映像作品を通じて研究しており、現代社会において映像身体学が果たしうる役割を明らかにしていきたい。

  • 松田 正隆 教授

    主要研究テーマ:演劇の演出、劇作

    教員紹介

    戯曲、シナリオ創作。演劇の演出。ここ数年は、主に、広島と長崎という二つの被爆都市の記憶を主題にして演劇を上演してきた。都市という場所に堆積する時間をどのように演劇的な表現にすればよいかを考えている。特に創作過程で困難を覚えたのは、被爆都市の記憶を演劇上演において表象することは不可能ではないか、という問いかけであった。それゆえ、研究課題としては、演劇の上演において現在という時制に立たされる身体がどのようにして過去の記憶の時間を取り扱うことができるのか、ということではないだろうか。

  • 横山 太郎 教授

    主要研究テーマ:演劇学(特に能楽)、身体文化研究

    教員紹介

    主な研究テーマは世阿弥時代から現代に至る能楽の身体技法の歴史的変容を解明することです。このほか、能の側から哲学・現代演劇・文学理論・エスノグラフィー・文化政策等にアプローチする学際的研究を行っています。また、観世文庫調査プロジェクトの一員として観世アーカイブ(観世家所蔵資料のデジタルアーカイブ)公開を手がけました。現場と大学、実証と理論、伝統と現代、ローカルとグローバルに、橋を架ける。大学院ではそんな学問を学生諸君と共に作っていきたいと思います。

  • 大山 載吉 准教授

    主要研究テーマ:哲学、映像身体学

    教員紹介

    形而上学を軸とした研究を行なっている。その目的は、世界の質料性、非質料的な記号の実在性、そして記憶の潜在性という三つの〈存在〉のカテゴリーをそれらの本性にしたがって分割し、しかる後に〈ひとつの生〉へと積分し、〈生を生きる〉という同族目的語的表現の実質を明らかにすることである。個別の対象や作品についても、私たちの心身の存在様態と、機械による知覚によって顕現する世界の実相を対象とする映像身体学の原理に立ち返って論究を重ねている。

  • 滝浪 佑紀 准教授

    主要研究テーマ:映画研究、メディア論

    教員紹介

    映画研究として、小津安二郎のサイレント映画を扱いながら、1920年代や1930年代に映画がローカル(日本)およびグローバルな文脈で持っていた意味を考えています。ここから映画美学や経験をキーワードに、20世紀前半から中盤というより大きな歴史的スパンのなかで日本映画や世界の映画について研究しています。またメディアの経験という論点から、テレビ、アニメ、ミュージックヴィデオなど、より身近にわたしたちを取り巻くメディアについても分析しています。

  • 宮本 裕子 准教授

    主要研究テーマ:映像、アニメーション

    教員紹介

    実写映画とアニメーション映画の間に明確な区別がなかった時代から今日までの映像的な混淆が関心の基盤にあります。そこから、1920年代から1940年代頃までのアメリカ、とりわけニューヨークのスタジオが制作したアニメーションを中心に研究、調査を行っています。映像の中に現れる社会文化的な側面についても関心があり、この文脈で近年は「クィア・シネマ」という考え方からの研究にも取り組んでいます。

  • 山田 達也 特任教授 *

    主要研究テーマ:撮影照明技術

    教員紹介

    映画における撮影、照明技術を研究テーマとする。フィルム、ビデオ、デジタルと撮影フォーマットは変遷し、特にデジタル化後はそのスピードは加速し4K映像、8K映像などさらに高精細になっている。また、今日の映画ではCG合成におけるVFXが当たり前に使われているのが現実である。テクノロジーの進化はそのこと自体素晴らしいことではあり、バーチャルな世界に引き込まれる人も多いことであろう。だが、撮影者は切り取るフレームで観客に「何を見せ、何を感じさせたいのか」の原点を失ってはならない。フィクション、ノンフィクションに関わらずそこにはドラマが表現されなければ何の感動もないであろう。
    そのためには、それを表現出来る技術が必要である。逆に言えば技術が向上すれば表現の選択肢も増え、そのことは作品全体のクオリティーにも繋がっていく。
    劇映画では演出や演技者の力量や背景によって大きく作品は左右される。そしてそれを切り取る撮影者のフレーミング、カメラワークによって現実化される。
    最終的には、それらすべてを包み込む「光と陰」の表現がすべてを調和させる。
    ドラマを撮るとは何なのか、こうした表現手法を考えていきたい。

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