2015/07/16 (THU)

社会学部の深田耕一郎助教が第3回福祉社会学会賞奨励賞を受賞

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

社会学部社会学科の深田耕一郎助教が、著書『福祉と贈与 ─全身性障害者・新田勲と介護者たち』(生活書院、2013年)により、第3回福祉社会学会賞奨励賞を受賞しました。

福祉社会学会賞は、福祉社会学研究の一層の発展に資するために、優れた研究業績を発表した同学会会員を表彰するものです。奨励賞の受賞資格は、原則「修士課程入学後13 年以内」または「博士課程入学後11 年以内」の会員とされ、「単著の著書」あるいは「本学会誌または他の学会誌等に掲載された査読付の論文」が対象となります。
『福祉と贈与 ─全身性障害者・新田勲と介護者たち』
人にものをたのむことをしなければ、助けを請わなければ、生存がままならないという負い目を主体的に生きた、全身性障害者・新田勲。その強烈な「贈与の一撃」を介護者として自らの身体で受け取ってしまった筆者が、公的介護保障の実現を求めて生涯、社会運動にかかわったその生の軌跡と、矛盾と葛藤に満ちた「福祉」の世界を描き切った渾身入魂の書。

コメント

COMMENT

社会学部社会学科
深田耕一郎 助教

2004年に立教大学大学院へ進学して以来、私はいくつもの幸福な出会いに恵まれました。しょうがい学生支援ネットワーク(当時)では、自立生活を始めたばかりの落合勇平と知りあい、彼の具体的な生活に触れることで、介護というコミュニケーションのままならなさに魅惑されました。それからは、おのずから導かれるように、福祉の世界にのめり込んでいったように思います。

介護現場という何か得体の知れない場所に、フィールドワークと称しては通い続け、自分が研究者なのか介護者なのかが分からなくなるほど、この世界にどっぷりと浸かりました。そうした心もとない研究実践を、立教大学の先生方や、研究を共にした仲間たちは、引き止めるどころかじっと見守り、励まし続けてくださいました。このように現場と大学のあいだを自由に行き来することができたのは、私にとって何よりの幸せでした。本当にありがとうございました。

『福祉と贈与』は、新田勲という、これも大学院時代に偶然出会った、しょうがい男性の人生と生活をまとめたものです。人の手を借りなければ生きていけない人が、人と共にどのように生きたのかを記述した本ですが、今回頂いた賞がきっかけになって、一人でも多くの方に福祉や介護について思いをめぐらせてもらえれば、うれしいと思います。これからも福祉という現象が持つ悲喜こもごもの魅力を伝えていきたいと考えています。

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