2017/03/11 (SAT)

持続すること —— 6年目の3.11にあたって ——

キーワード:社会・地域連携

OBJECTIVE.

東日本大震災とそれに続く東京電力福島第1原子力発電所事故から6年目の3月11日を迎えます。被災地では多くの人々の努力によって復興が進められています。立教大学が復興支援の重点地域としてきた陸前高田市でも、かさ上げされた土地に新しい街が生まれつつあります。震災直後、文字通りの復旧作業のための泥の搔き出しや清掃作業から始まった本学の支援活動も、お祭りやスポーツ教室の実施、学習や介護のお手伝い等のボランティア活動、講演会の開催など、住民の方々との交流を中心とするものになってきました。

この4月には、RIKKYO VISION 2024のアクションプランの一つである「立教大学陸前高田サテライト」がスタートし、その具体的な活動拠点として、陸前高田市、岩手大学と協働して「陸前高田グローバルキャンパス」を開設します。これまでも海外からの学生を交えたプロジェクトを含むさまざまな活動を通じて、支援に関わる学生・教職員が自らの生き方を考える貴重な機会を得てきました。共に学び考える場所であるキャンパスが、共に生きる場所としてのコミュニティを形成する幹細胞のような役割を果たすことを期待しています。

一方で、復興庁によれば、現在でもなお約12万3千人の人々が避難生活を送っています。地震と津波は1万8千人の死者・行方不明者を出しましたが、その後「震災関連死」で亡くなられた方が3千5百人を超える数に上っています。東日本大震災と原発事故が人々の生に及ぼした影響はいまなお深刻であり、私たち自身の問題であり続けています。

今年の4月、東日本大震災以後に生まれた子どもたちが小学校に入学します。大学にも震災の春に小学校を卒業した子どもたちが進学してきます。6年という時間を噛み締めながら、私たちは支援と、そして思考の営みを持続していきます。

2017年3月11日
立教大学総長  吉岡知哉

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